■農鍛冶・刃物に船のもの
いわゆる農鍛冶です。クワ・ナタ・カマの製造・修理を明治41年から代々やってきました。農鍛冶と言えど、この辺りだから漁師の「間切り」だとか錨を作ったり、鈎、シバリ、タモとか何もかんもです。
昔は「入れ鍛冶」といって、カナトコ担いで材料担いで、各集落歩いて仕事しに行きました。
■漁師の「間切り包丁」
「間切り」というのは、漁師が使う万能包丁です。漁師町 にしかないものかもしれません。網仕事をする時にロープを切ったり、魚の腹開け、刺身を作る、陸仕事の網繕いでも使います。漁師はそれ1本でまかなえるものです。刃渡り4寸5分だから135ミリくらい。刺身包丁の小さいのみたいな感じ。普通の家庭でも刺身用に使っていたりします。
漁師は、サヤを自分で愉しみながら作るみたいです。桐の木などを使われます。
■四角いクワと丸いクワ
クワだけでも、10種類ほどあります。大きく言う「畑用」の中にも、粗打ち用など。
土地によっても刃先の格好が違います。海岸線でいうと、波並地区までが丸いクワ。矢波地区から穴水の方へ行くと、四角い歯先になる。でもおんなじ作業に使っている。
昔からそう決まっていて、それぞれの地区で不思議にそれしか使わないんです。
■クワは角度も土地で違う
金沢・加賀・羽咋・能登では、使うクワの角度や勾配が微妙に違います。加賀の方は勾配が強いです。鍛冶屋のクセもあるかも知らんけど、土質の関係でしょう。
羽咋は砂地だから、「打つ」よりも「引っ張る」感じで勾配が強いとか、こっちは粘土質で深く掘るため傾きが少ないとか。
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山手にある工場では、
アイディアを元に試作も行っている。
■うちで本刃付け
うちの特徴としては、既製品でも「刃付け」して出してることです。包丁でも一緒。全部本刃づけをしています。
仕入れた品物は、6〜7割の刃しか付いていない。簡単に言うと「粗研ぎ」から「中研ぎ」ぐらいしかしてないんですね。それを「中仕上げ」と「仕上げ」をして出す。そうすると、よく切れます。
よく、1本の砥石で包丁を仕上げていることがあるようだけれど、「粗」と「中」と「仕上げ」と、3本かけないと、良く切れるようにはなりません。

店頭には漁師町らしい商品も多い。
■今の売れ筋
クワは耕耘機のおかげで少なくなってきてるけども、近辺の鍛冶屋さんが少なくなって、遠くからでも来ていただける。
最近よく出るのは、林業の枝打ちナタ。植林クワも作ります。
昔からの道具から、少しずつ売れるものが変わってきていますね。
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